2017/08/09

ゼリア新薬工業のニュース

ごきげんよう、紅月です。


ついさっき、Twitterって便利なんだなと実感しました。
いきなりどうしたのかと言うと、タイトルのニュースです。



4年前に新人研修を苦に若者が自殺した事件の関連の裁判にあたり、裏に何があったのかという調べが進んでいるようです。
軍隊のようとも形容されているこの研修において、自殺した若者は「吃音」と「過去に受けたいじめ」について話すよう求められたそうです。
これらを悟られていたことに若者はショックを受けたとあるので、周囲にはどちらも隠そうとしていたことがわかります。
しかし、この出来事によってもっとも知られたくない同期の人にまで周知されてしまいました。
研修自体、睡眠時間を確保できないほど長時間拘束され、「ある種異様な空間」と表現されるところを見ると、決して良い研修とは言えないでしょう。
期間の中途で、若者は異常行動が見られるとして帰宅を命じられ、家には帰らず自死したそうです。

このニュース自体はさして目を引く事柄はありません。
問題は今回会見した原告、つまり若者の父親の発言です。
子を思う父親然とした態度で裁判を起こしていますが、わたしは何だかもやもやします。
端的に言うと、まず若者の吃音に対する認識がおかしいのです。
妻と娘がピアノをやって絶対音感があるから吃音があれば絶対わかるという発言があります。
専門家ではありませんが、「絶対音感」と「吃音の認知」は無関係でしょう。
本当に吃音がどんなものか知っての発言でしょうか。
さっそく誰かこの件に関して突っ込んでいないかと思って調べました。
ここで冒頭のTwitterです。
かなり新しいニュースですが、検索するとすでに何人かがすでに疑問視する発言をしていました。
さすがにSNSはこういうことには強いです。

さて、この「絶対音感」発言を踏まえると、吃音だと思ったことは一切ない、いじめも聞いたことがないという家族の認識もあやしくなってきます。
これらは恐らく事実でしょう。
しかし、それは本人が家族に話せなかった、または意思を持って話そうとしなかったということです。
もしかすると、吃音のことを打ち明けても(先ほどの絶対音感発言のように)理解してもらえないと思ったのかもしれません。
過保護のあまり子どもが少し「普通」から外れるとすぐに矯正しようとするのもどうかとは思いますが、自殺するまでいじめなどを「知らない」という事態もあってはならないことです。
つらい体験を話せない、共有できない家族のあり方はまずいと思います。

また、若者は直前に帰宅を命じられていますが、自殺はその途中で行い家に帰っていません。
研修期間は会社指定の宿泊施設にほぼ缶詰で、若者が自宅でゆっくりできたのはGW期間程度らしく、自殺した日は5月18日です。
この状況を考えると、自殺するほど切羽詰まっているとは言え、いやむしろ切羽詰まっているからこそ、家族にひと目会いたいと思わないでしょうか。
邪推ですし言い回しもアレですが、会社の研修でひどいことをされた、GWで家でも居場所が無いことを再確認した、会社からもいらないと言われた(帰宅命令)、死のう、となったのかもしれません。

会社側はもちろん研修内容に問題はないとし、すでに出ている労災認定も認めていません。
裁判で家族と会社のどちらが勝っても、若者は浮かばれないかもしれないと思います。
たいていの記事は文面通り、またはできうる限り好意的に受け取りますが、どうも擁護できないニュースの一つでした。

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