2018/02/28

近況報告

ごきげんよう、紅月です。
とあるサイトの登録を行なったのですが、登録方法の選択を過ったと後悔しています。
大元のアカウントになかなかログインできず、そのサイトにも入れないはめに陥っているのです。
そんなこんなでしばらく色々なことへのやる気が低迷していました。

久方ぶりの近況報告です。

★最近やったゲーム
・Valley
 強化外骨格を着て美しい自然を走り回るゲーム…かと思ったら不穏な空気が…
・Starbound
 紅薔薇のFloranで始めました。ジャンプの挙動が苦手です
・パズドラ
 ウルカとイルミナが来たのでわたしの寿命は近いかもしれません

★おもしろかった動画
・「日本語読めない卓」、「ピロシキ卓」
 TRPGリプレイ動画の卓名タグです。以前から好きな「酔っぱらい卓」と併せてぜひ

★ほか
・平沢進
 「白虎野の娘」は傑作だと思います。もちろん他もそれぞれ良いのですが

ゲーミングパソコンのおかげでValleyやStarboundを快適に遊べるようになり、他のSteamの積みゲーもいくつか取り出せるようになっています。
いまだに実況動画を観てばかりなのですが、それでも状況はちょっと好転していると思います。

2018/02/23

昨夜の妄想

ごきげんよう、紅月です。
ゲームやるのが楽しいという気持ちを思い出したような気がする今日このごろ。
やはりスペックが高いのは良いことです。

そんなこんなで創作の時間があまり取れていませんが、昨夜は掌編ではなく4コマ漫画を考えていました。
イラストが描ければよいのですが、人に見せられる絵は無理なので、つまらないものになってしまいますが文章で置いておきます。

カップルの別れ話。
男「他に好きな子ができたから別れて欲しい」
女「えっ」

女視点。①を思い出して
女「毎日ご飯作って掃除洗濯して、それなのにあっさりかよ!」
女「そりゃあ全部勝手にやってたことだけどさー」

女「…犬にでも噛まれたと思って忘れよ」
目をつぶる。

妄想の中の女のもとに男がわらわら分身して出て来る。
男「今日髪まとめてるんだ、かわいいじゃん」
男「これやるよ、気に入ればいいけど」
男「なあ、機嫌直せよ。ほれ、アポロ」
女にとって悪くない、むしろ愛しい思い出の彼ばかり。
女(忘れられない!)

2018/02/22

ひんやりふわり

ジジジジジジジジジ……

「お待たせ!」
コンビニのドアが開く音がして、背中をぽんと叩かれた。
「ああ…」
「チキンなかったー。前の人が買ってったので最後やって」
「そっか、残念やったね」
「まあアイスが溶けるけんよかったわ。何見とるん」
私は誘蛾灯を指した。
2匹の蛾が青いライトの周りを飛び回っている。
「うえっ、虫嫌いなん知っとるくせに」
「知っとる。でもなんか可哀想やない」
「そう? ヨリの感覚はたまにわからんわ。昔からやけど」
「集まってきても何も良いことないのにさ」
「そりゃまあね。アイス溶けるけん帰るよ」

「夜はやっぱ涼しいね」
「うちがおかしいだけよ。西日がひどいわ」
「遮光カーテンにすりゃいいのに」
「したいけどさー。もしかしたら今年度で引っ越すかもしれんのよね」
「まじ?」
「まじ」
「なんで」
「うちの職場さ、2年ごとで勤務先店舗変わるんよ。今までたまたま近所やったんやけど、さすがに次は市外やと思う」
「市外やったら今の部屋からじゃ遠いね」
「今みたいに泊めたりとか出来んかもしれんわ」
「いや、ごめんね、ありがとうございますよ、ほんとに」
「いいのいいの、別に1泊2泊かまわんって」
「明後日は仕事やろ」
「うん。布団しまっとってくれるなら明日も泊まっていいのに」
「そこまで迷惑かけられんわ」
「まあそっちも仕事あるもんね」
「……」
「てか、なんでさっきビール買わんかったん。いっつもうちで飲んどるのに」
「ユッカ飲まんじゃん」
「この前まで遠慮せず飲んどったのによく言うよ」
「…気分やない」
「カズなんちゃら君となんかあったん」
「別れた」
「ふぇっ?」
「今回は失恋旅行みたいなもん」
「あらあらあら」

そうこうして話している内に、ユッカの部屋に帰ってきた。
鍵を開けて
「ただいま」
「ただいまー、おかえりー」
声音を変えてユッカが二役を演じる。
「なんか嬉しそう」
「たまにはおかえりって言いたいじゃん」
「そうかねー」
「うちが泊まりに行ったらヨリも言えばいいやん、おかえりーって」
「そういやユッカがうちに来たことないね」
「どうせ都合あわんやろうなーって思うけん最初っからあてにせんもん。大体旅行とかめんどい。いっただっきまーす!」
「なんか私が世話になってばっかりやん、申し訳ない。いただきます」
「別に気にしとらんし、うちは楽しいけんいいけど。ゆーて2回目やろ、うち来るの」
「泊まるのはね。年明けに来た時とかも日中ずっと居座ってしまったし」
「ああ、倉田の眼鏡でツボったやつね」
「あれは何度思い出しても笑うわ。割れたけんってテープで直そうって発想がまずないし、なんでガムテ貼ったーって」
「前見えんくなるってなんで気づかんかったかね」
「セロテープがなかったけんやろ」
「いやわからんわ」
「まあ一番ウケるのはその後コンタクトになったってことやけど」
「顔が薄いけん違和感あったよねー」
「でもあだ名はー」
「ガムテ」
ひとしきり二人で笑い合う。
「これ全然食べれんのやけど」
「そりゃあそれ氷だもん。あ、垂れそう」
「ふきんあるよ」
「ああ~、ティッシュない?」
「ほれ、ふきんでいいよー」
「ありがとん」
「うわ懐い。どいたまん」
「あったねー、どいたまん。なんか恥ずかしいわ。ありがとんはいいけど、どいたまは"ん"を付ける意味がわからん」
「対になってるだけやろ」
「流行らんかったね」
「あれ中学の時だっけ」
「そうそう」
「中学って14、5歳? ってことは12年くらいになるわけ? 年取るはずだわ」
「26は年取ったとは言わんやろ」
「うちはもう27やし」
「そうやった。やっぱ年取ったかねー。ビール飲も、ビール」
「あんた買わんかったやん」



***○。***○。***○。***○。

2018/02/21

酒との付き合い

ごきげんよう、紅月です。
読了間近の小説は読み進めるスピードががた落ちします。
これはわたしだけの現象でしょうか。

さて、今回は時々誰かに語りたくなるわたしのお酒との付き合い方です。
残っていた白州を呑みながら書いていきます。
食事中の方は少し注意な表現を含みます。


ナルシシスト

ごきげんよう、紅月です。
新しく買ったパソコンのセットアップで一晩潰れましたが、そこそこ値が張った分満足のいく買い物になりました。

さて、わたしは時事問題はほとんど扱いませんが、羽生選手をナルシシストとして批判する声があるらしいとTwitterで見かけたため、少し触れようと思います。


2018/02/20

演ずる者かくあるべし - はるか17

ごきげんよう、紅月です。
おねショタ萌えにいくらか理解を示せるようになってくると年を取った感じがします。

さて、最近は多いですが、まだ読み終わっていない作品の紹介です。
演劇をやっていた者としては、演劇人や演技が好きな人にぜひ読んで欲しいと思います。


ゆっくり朗読

ごきげんよう、紅月です。
好きな動画投稿者が自分より年下だと衝撃を受けます。

昨日は晩酌しながら創作しようとしたのですが、さすがにウィスキー直飲みはナイトキャップ程度にしか呑めませんでした。
その代わり、「秋の夜の会話」をゆっくりに朗読させていました。

以前はゲーム実況をさせようとして、人間らしい調声に挑戦していましたが、手軽にささっと作れるようにしたかったので、ゆっくりらしさを残しつつ伝えたい部分を重点的に調声しました。
自分で朗読する時の読み方はすでに確立している詩でしたが、ゆっくりに朗読してもらっていると不思議なことに作品への理解が深まった気がします。
いつか動画サイトに投稿したいです。

余談ですが、わたしはゆっくりの立ち絵はきつねさん製作の素材を用いており、しかし元ネタ準拠でなくオリジナルの名前と設定を付けています。
改変はしていませんが、これが一番の理由となって、動画投稿に踏み切っていません。
オリキャラを存分に用いるためにイラストを描けるようになりたいものです。

2018/02/19

研鑽の日々

ごきげんよう、紅月です。
パズドラでバレンタインネイが当たったりしてまたちょっと運が上がっています。
何か新しいパーティが組めたらここでも紹介したいのですが、なぜかそういうタイミングはなかなか来ないです。

このブログの記事全般を見ている方は知っていると思いますが、ここ数日できるだけ日刊頻度で創作を上げています。
もともと書くことは好きなのですが、いつからか創作することがめっきりなくなっていました。
バレンタインデーに上げた作詞を機に一念発起、できるだけ多く書こうとしていたらこういう頻度になっているわけです。
こんなペースがいつまで続くかはわかりません。
ですが、今は数撃ちゃ当たるキャンペーン中。
荒削りでも何でもとにかく出す。
今までは寡筆でこういう量産をしなかったのですが、思い切りを良くすると案外産みの苦しみもそこそこに済ませることができるという発見がありました。

歌うことも好きですが、ずっと通る声を出していないということも実はすごく恐ろしいことで、日頃普通に歌っていても以前出ていた音が出ないという経験がしょっちゅうです。
あまり使わない音域でもないのに届かないのがこれほど苦しいとは思いませんでした。
姿勢を正してしっかりと声を出しても無理でした。
ライフワークの一つだと思っていた歌が自分の思い通りにならないのは本当に悔しいですが、毎日本気で歌う時間は作れませんし、これは難しい問題です。

とにかく、毎日何かをやることはわたしは苦手なのですが、実は違う習慣をつけようとしていたら創作の習慣がついてしまいました。
大体誰かに言ったり公表するとダメになるのですが、諦めずにもう少し続けたいと思います。

輝く竜の鱗の物語

お腹を空かせた人間の子供を見かねた竜は「これをお売り」と、その身から輝く鱗を一枚剥がして手渡しました。

鱗を受け取った少年はその美しさに目を丸くして見惚れていましたが、やがて「ありがとう」と言ったきり街の端にある商店へと駆けていきました。
「りんごを1つくださいな」
店の奥から腰の曲がった男性が出てきて、子供の無邪気な笑顔を認めて微笑みました。
寒空の下、小さな背中を丸めて路地を歩く少年を見るたびに心を痛めていたのです。
さっそく大きめのりんごを1個選び、いつものように銅貨を受け取ろうとして、彼は仰天しました。
代わりに握られていた七色に光り輝く鱗は、どう見てもこんなボロボロの商店よりも高価なものです。
しかし、子供がこれを売ろうとしたところで、きっと真っ当な交渉はしてもらえないでしょう。
そっと少年の手を押しとどめて彼は言いました。
「すまんが、儂はこれを受け取れん。じゃが、儂の倅のところに行ってみるといい。
教会に行けば会えるはずじゃ。これは持って行け」

もらったりんごを頬張って、少年は主人の息子がいる教会を目指しました。
教会では年配の男性が神の教えを説いているところでした。
少年も後ろの列に座って聞きましたが、何やらよく飲み込めません。
説教が終わって彼は神父のもとを訪ねました。
「私なら信用もあるから交渉ができるだろうと寄越したのですね」
鱗をしげしげと眺めながら神父は言いました。
「わかりました。うまくやってみましょう。
今日は葬儀の準備で忙しいので、明日の午後になると――」
「あの…」
「どうかしましたか」
「神様はいつも見てくださってるの?」
「そうですよ」
「ぼくみたいな子どものことも」
神父は少年をじっと見つめて口を開きました。
「もちろん。よければこの教会で暮らしませんか。
そうすればもっとお話もしてあげられます」
この申し出が何を意味するか少年は正しく理解していませんでしたが、彼はこくりと頷きました。

それから10年の歳月が過ぎました。
少年は神父のお使いをしたり説教を聞いたりしながら、立派な青年へと成長しました。
ある日、青年が買い物に出かけると一瞬だけ空が暗くなったようでした。
街の人も特に気づいた様子はありません。
ふと10年前のことを思い出し、彼は街の外れまで足を伸ばすことにしました。
神父の父はずいぶん前にこの世を去っていましたが、彼は1年に1度はここを訪れるようにしているのです。
懐かしくなって青年は辺りを見回しました。
すると、長い髪の女性が街を出ようとしている後ろ姿が目に留まりました。
その姿は凛として美しく、その髪は銀色とも金色ともつかず光り輝くようでした。
そしてどこか懐かしさが胸に溢れるのです。
青年は声を掛けたいと思いましたが金縛りにあったように動けません。
彼女が建物の陰に姿を消した瞬間、彼は後を追いましたが、もう見当たりませんでした。

がっかりしながら教会に戻って来た彼は、教会の周りが騒がしいことに気が付きました。
人だかりの中に身を投じると、何人かが青年に憐れみの言葉を掛けます。
嫌な予感がして彼は教会の中へと急ぎました。
予感は的中しました。
神父が倒れたのです。
すでに医師が診察を終えたところでした。
「…残念ながら、打つ手はありません」
彼は絶望に打ちのめされました。
「10年前にも全く同じ症状の人間が出たのです。
あの時は若い女性でしたが、彼はあと数刻ももたないでしょう」
神父は部屋で寝かされていましたが、一目で高熱で苦しんでいるとわかります。
「父さん」
青年が言うと、神父が青年の名前を呼びました。
「そこに…いるのですか」
「傍にいます、父さん。僕が何かしてあげられることはありませんか?」
「……」
熱のためではなく何か思案しているような間がありました。
やがて神父はかすれた声で話し始めました。

あなたが10年前に私に預けた光る鱗。
あれを私は翌日の葬儀の後に売りに行きました。
交渉はとんとん拍子に進みました。
しかし、あなたはまだほんの子供でそのまま渡しても仕方ありませんでしたし、提示された大金をしまっておく場所も無かったのです。
私は交渉を取り止めて部屋の鏡の裏に隠しました。
いつかあなたが使えるように、思い出として残すこともできるように。
約束を破って嘘を吐いていたのです。
私は悪い父親です。

青年が鏡の裏を調べると、先ほどの女性の髪と同じ色に輝く鱗が出てきました。
「父さん、ありがとう。
僕はここで不自由なく過ごさせてもらいました。
あなたは最高で自慢の父親です」
ほどなくして神父は息を引き取りました。
葬儀の準備をしなければならないと思いましたが、喪に服する前に彼にはやるべきことがありました。

教会に来た日と同じように片手に鱗を握りしめて、彼は全速力で街外れへと向かいます。
夕日が街の傍の丘を金色に染め上げていました。
そして、それを見つめる竜がいました。
「竜よ、僕を覚えているか」
「もちろん。あの時の子供だね」
そう言いながら、竜は翼の下に何かを隠したようでした。
「僕はこれをあなたにお返しに来た。
今さら意味は無いかもしれないが、元々あなたの一部だったものだ」
青年は手を広げて鱗を差し出しましたが、竜はそれを拒みました。
「驚いた。今頃、どこかの館にでも飾られてるだろうと思っていたのに」
「優しい人に出会ったのだ。
売りはしなかったが、きっかけにはなった。感謝している」
「そう。それはお前が自由に使いなさい。
前に言ったように、売ってしまってもいいのだよ。
もしもここまで言っても頑固に持っているようなら――」
竜の体は丘の草と同じように金色に輝いているように見えました。
「会うこともあるかもしれないね。
私はきっと10年後にまた戻って来る。今度はもう少し早いかもしれないけれど」
青年と竜はしばらく黙って、太陽の最後の光が消えていくのを見守りました。
彼らは黙ったまま別れました。

竜は青年が去った後、鉤爪で翼の下に隠したものを掴んで飛び立ちました。
一見すると大きな烏のように見えるそれはすでに命を失っています。
竜は飛びながら深く息を吐きました。
「…お前の大事な家族を守れなくてすまなかったね」



***○。***○。***○。***○。

2018/02/18

夜更け

彼の部屋はいつも明るい。
外が暗くなるに任せて作業を続ける私と違って、几帳面な人なのだ。
日が落ちてくるとカーテンを引いて部屋の電気を点ける。

彼がパソコンで資料を作っている間、私はベッドで本を読む。
音楽が彼のイヤホンから漏れ出ている。
「そんな大音量で聞いてだいじょうぶ?」
首を少し傾げてから、右耳だけイヤホンを外して振り向く。
「何か言った」
「イヤホン音漏れてる」
「ごめん」
「私はいいけど、ちょっと音大きすぎるんじゃない」
彼はぴんと来ないらしい。
こういう所はひどく鈍感だ。
「耳に悪いよ」
「じゃあ」と言って、彼は音量を下げて作業に戻る。
合間に時々ブラウザゲームを確認している。

1時間は経った頃、資料は完成した。
「お疲れさま」
「お腹すいた、コロッケ食べよう」
反射的に腕時計を見る。
夜の9時だ。
「買って来ようか」
「いい、行く」
一緒について行きたかったが、何も言わない。
彼は私と外出するのを嫌がるから。

彼の部屋で一人で待っていると変な気分になる。
ここは私が今いるべき場所で、でも私の場所ではない。
一人暮らし用の部屋なのに私には広すぎるように思える。
この部屋に二人でいることに慣れ過ぎているのだ。
栞代わりにページに引っ掛けていた指を外して、部屋を見回してみる。
家探しをする趣味は無いけれど、一人にされるとむずむずして気になってしまう。
絶対に手は出さない。
見ているだけなのに、まるでへそくりでも探しているような背徳感と罪悪感に襲われる。
玄関で鍵を開ける音がして
「ただいま」

彼が帰って来た。
コンビニの袋から取り出されたコロッケの匂いが漂ってくる。
「美味しそう」
「美味しい」
コロッケを食べている彼の方に手を置いて後ろから覗き込む。
「…食べる?」
「ううん」
お腹は空いていない。
ただ彼とくっついていたいだけだった。
「眠い」
彼の肩に頭を預ける。
「こら、ここで寝るんじゃない」
「え~じゃあベッドで寝る」
「おい、もっとあかん」
「ふふっ」
こうして平和な夜は更けていく。



***○。***○。***○。***○。

2018/02/17

リス

ごきげんよう、紅月です。
夜食にコーンじゃがバタを常食するようになりました。

先日、モチーフにアルビノをつかった掌編を公開しました。
その延長で白い色違い動物でなにかおもしろいネタはないかと思ったので、考えてみました。


2018/02/16

森に棲む者

…風?
木々の間を吹く風の音にまじって、なき声が響いてきた。
幼い声…不安で誰かを呼んでいるような、長くか細い声…。
声の主を捜して私は歩きだした。

この森に迷い込む者は少なくはない。
しかし、その多くは私の目に触れること無く森を出ていく。
それは森の意思だ。
無関係な異物は排除される。
森はここに在るべき者をよくわかっているのだ。

私にとってこの森は庭みたいなものだ。
どの木がどこに根を張っているか、どこが傷ついているかも知っている。
見覚えのある木のうろの中に声の主をすぐに見つけることができた。

人間の子ども、女の子だ。
私は光を遮らないようにうろの脇へ屈み込んだ。
入り口はだいぶ狭くなっていて、彼女がやっと通れるぐらいだろう。
私がいきなり覗いたので、幼女は一瞬しゃくり上げるのを忘れて息を詰め、小さな躰をいっそう縮めた。
大きく見開いた目は泣き腫らしたせいか真っ赤になっている

私はふと違和感を覚えた。
……何に?
幼女が一人で迷い込んだことか、彼女が数瞬で警戒を解いたことか。

「はぐれたのか?」

彼女はちょっと頷いた後にゆっくり首を振った
捨てられたのだろうか…。
だが、偶然にしてもこんな場所に迷い込むのは何か変だ。

「適当に歩けば出られる」

幼女はすでに泣き止み、私が助けてくれると信じて疑っていないようだった。
うろの中から彼女は私に向かって左手を伸ばした。
私は手を取らずに立ち上がった。
彼女は少し間を置いて自分でうろの外へ出てきた。

「どっちに行ってもいい。すぐに元の場所に着く」

きょろきょろと見回す幼女に、私は自分が来た方向を示してやった。
彼女は私の服の裾を掴んで縋ってくる。
それを強く払い除け――

「出て行け」

彼女が尻餅をつく。
真っ赤な目が潤む。
が、ぐっと堪えて彼女は立ち上がった。
木の葉が厚く積もっていたから、怪我は無いだろう。
冷たい視線を浴びせる私を不安そうに何度も振り返りながら、彼女は歩いていく。
かなり長い時間が掛かったが、最後には幼女は白い点になり、見えなくなった

これでいい。
自由に次元を渡れる者なら別だが、私と一緒にいる限り、この森からは出られない

私はくるりと振り向いて、うろがある木を仰いだ。
昔、私もこのうろによく潜り込んでいた。
そこで泣いたこともあった。
もうずいぶん前のこと、1000年…いや、それ以上だ。
ここに閉じ込められた初めの頃だから。

私は何もしなかった。
何もできないのに恐れられ、この森に封印された。
白い髪が、白すぎる肌が、何よりこの赤い目が悪魔の証拠だと…。

「……!」

すっかり忘れていた。
自分の外見を、幼いころの姿を。

封印の中でも次元を渡る実験はどうやら成功したらしい。
これで綻びができ、封印も緩むだろう。
喜ばしいことだ。
また一歩復讐に近づいたのだから。



***○。***○。***○。***○。

2018/02/15

独自言語

ごきげんよう、紅月です。
こくしぼりの華やぎ苺と生原酒で晩酌中。
経歴的には日本酒や焼酎と縁がありますが、普段はウイスキーやワインなどもっぱら洋酒派です。

突然ですが、オリジナルの言語を創ったり口にすることはありますか?
これにYESと答える人はどれほどいるのでしょうか。
創作勢の方ならあるいは…という程度かも。
というわけで、今回はわたしの独自言語事情(?)をお話しします。


「アメリカ」感想

ごきげんよう、紅月です。
ファミマのアップルパイがすごくおいしいので、おすすめしたい今日このごろ。

読了はまだですが、カフカの「アメリカ」の終盤から、感想です。


2018/02/14

残り火の唄


ここは牢獄 光差さぬ場所
君を失って鍵は消えた

月が照らした二人の道も
いまは闇に掻き消えていく

望みなどかけない誓ったはずだと
まだ泣いていない心の底から

この恋はずっと偽りなどないと
守っていた腕が力尽きるから

砂が落ちるようにわたしの手は
何もつかめず何も残らない

素直さも嘘も愛も妬みも
はじめから意味など無かったように

叶わぬ願いなどわかっていたけれど
まだ開けない空っぽの手を

あの恋はいまも真実(ほんもの)なんだと
守っている腕が力尽きるまで



***○。***○。***○。***○。

2018/02/13

玉砕

ごきげんよう、紅月です。
止まっていた動画シリーズいくつかに最新が来ました。
三連休のためでしょうか、うれしいです。

さて、今回は個人的な恋愛関係の話です。
あまり面白いものでもないので、暇を持て余してる方のみお進みください。


2018/02/11

新しい(?)二次創作

ごきげんよう、紅月です。
自転車に乗っていて恐いのが、すれ違う時も友だちと並走する自転車の若者たち。
3台通れる道幅とは言えイラッと来ます。

そんな身体的な危険が予想されることではありませんが、最近気になることの一つに、フリーゲームで新しく出てきたように見えるジャンルがあります。
VOCALOIDの二次創作ゲームです。

フリーゲームのサイトで新着ゲームを見ると、そこそこの頻度で出てきます。
年末くらいから徐々に幅を利かせるようになったと見当をつけていますが、これは前からあったものでしょうか。
それとも、素材の規約が最近変わったとかで実際に新しく生じたものなのでしょうか。

そのあたりの事情には疎いのですが、各ゲームの内容をさっと閲覧した感じ、キャラをさらに広めるような類のものではなく、むしろVOCALOID好きでもコアな趣味を持つ人向けのように思えます。
多くの人の目に触れるところで公開しているのにもったいない、なんて感想を持つのは、わたしだけなのかもしれません。

2018/02/08

エルネア王国の日々 192年24日まで その11

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。
また、これが日記の最後でどちらにせよ尻切れトンボですが、後味良く終わりたいなら23日だけ読むことをおすすめします。


2018/02/07

エルネア王国の日々 192年24日まで その10

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


好きな少女漫画ヒロイン

ごきげんよう、紅月です。
時折すごく好みの漫画に出会うことがあり、それについて語るための漫画カテゴリを設けたいと思ったり思わなかったりします。
今回はその第一歩で。

突然ですが、あなたは少女漫画を読みますか?
めちゃくちゃ読み漁ってきたという人も、型にはまってつまらないという人も、様々いるでしょう。
わたしはそこそこ読みますが、気に入るものと気に入らないものの差が開きがちです。
しかし、先日ふとどういうものが好きなのか傾向がわかってきました。


家の外で勉強

ごきげんよう、紅月です。
昨夜、給食カレーのあのもったり感を少し再現できました。
どうやらあれは純粋なカレーではなくホワイトソースをベースにしているらしいです。

さて、「スタバで勉強をするな、外でやるなら図書館でやれ」と言う言葉を聞いて、図書館利用者も同じことを言うかもしれないと思った話から始めます。


2018/02/06

エルネア王国の日々 192年24日まで その9

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


2018/02/05

エルネア王国の日々 192年24日まで その8

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


2018/02/04

エルネア王国の日々 192年24日まで その7

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


ゲームジャンル分け

ごきげんよう、紅月です。
しばらくぶりにTerraria再開してアイテム整理してます。
アイテム整理に数か月を要するってどういうことでしょうね。

さて、そうやって整理分類することは大好きなのですが、今回は増殖する積みゲーの分類の話です。


2018/02/03

エルネア王国の日々 192年24日まで その6

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


2018/02/02

エルネア王国の日々 192年24日まで その5

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。


2018/02/01

インターネット上のつながりで人間性は変化するか

ごきげんよう、紅月です。
フリーゲームの整理法を変えたい今日このごろですが、現行のジャンル別分類の方が明らかに有用だと思うとどうにもできません。

さて、立て続けですが、前回の記事を書いている途中に思い浮かんだことを書きます。
個人の人間性はインターネット上の出来事では変わらないのではないかということです。


インターネット上の対人関係トラブル

ごきげんよう、紅月です。
日刊で合成音声ソフトを使用した実況動画を上げている方々が、わたしの生活を潤しています。
ありがたいことです。

さて、インターネット上でいろいろな人間関係事情を見てしまったため、わたしの意見を述べさせてもらいます。


エルネア王国の日々 192年24日まで その4

※プレイヤーキャラ視点の一人称小説という体です。
ほかの方のオスキツ国初期住民とイメージが違ってもご容赦ください。